起業したいけどアイデアがない時の「ヒントの閃き方」

起業したいけどアイデアがないという時の「ヒントの閃き方」

近年、大手企業でも大々的に「副業解禁」の流れが出来、そのまま自分で独立して「起業」となるケースが珍しくありません。

自由な生き方に憧れて、自分も独立して事業を始めたいという方はたくさんいますが、アイデアがなかなかない、そもそもアイデアのヒントすらも思い浮かばない方も多いと思います。

そこで今回は、「起業するヒントの閃き方」をいくつかご紹介していきます。

アイデアが出やすくなる方法や考え方、と言ったことをまとめて行きますので、是非参考にしてみてください。

ブレインストーミング

まず有名ですが、ブレインストーミングという考え方があります。
これは簡単に言えば、集団でアイデアを出し合う、ということです。
非常に古典的なやり方で、わざわざ言うまでもなさそうに思えますが、これをする時に4つのポイントを抑えておいてください。

「批判はしない」「粗野で突拍子もないアイデアも否定せず、一旦は歓迎する」「内容の質よりアイデアの数を重視する」「他人のアイデアと組み合わせてみる」
という4つです。
これを順に見て行きます。

1 批判はしない

まず大前提として、出たアイデアに対して、頭から批判することはしないでください。
予算や人員的に土台無理があるような事だとしても、出たそばから否定することはせず、とにかく自由に、柔軟にアイデアが出るようにすることが大切です。」

2 粗野で突拍子もないアイデアも否定せず、一旦は歓迎する

前項に似ていますが、友人や仲間と集まり、とにかく自由に様々なアイデアを出すのがブレインストーミングですので、どれほど突拍子もないアイデアでもまずは歓迎して、書き留めておいてください。

3 内容の質よりアイデアの数を重視する

同様に、精度と質が高い内容よりも、とにかくアイデアの量を出すことを意識してください。
その結果として、他のアイデアと組み合わせることで、一つのサービスや商品となる可能性があります。

4 他人のアイデアと組み合わせてみる

いわば、便乗するように、他の人のアイデアと組み合わせ、一つにすることで意外にもリアルに、具体的な案となります。
このためにも、質よりも数を重視して、様々な案を出し合っていくのがおすすめです。

ブレインストーミングにおいては、以上の4点を意識してください。
自由に、たくさんのアイデアを出し合うことで、思考を固めることなく、あらゆる角度ですすめていくことが出来ます。

・シックスハット

ブレインストーミングは基本的には一人では行わない方法ですが、このシックスハットは複数人でも、一人でも多角的にアイデアが考えられます。
これは思考を「肯定的」「否定的」「客観的」「直感的」「創造的」「思考的」の6つに分けて、アイデアを考えていくというやり方です。
これも順に見て行きます。

1 肯定的

自分のアイデアが実現して、顧客が得られるメリット、利点だけを第一に考える

2 否定的

自分のアイデアに対して否定的な、デメリットな部分だけを第一に考える

3 客観的

今の自分の考えや環境は一切無視して、現状のニーズがありそうな数字、データを見て、ビジネスになりそうなアイデアを発想する

4 直感的

理論や数字、データを一切無視して、自分の考えや漠然とした勘だけに最優先にスポットを当ててアイデアを発想する

5 想像的

理論や数字、データを一切無視して、独創的な、クリエイティブなアイデアを第一に考える

6 思考的

出たアイデアを俯瞰で捉えて、具体的な、現実味のある考え方をしてみる

と言った感じです。
文字で読むと抽象的なことが多く、難しそうに思われますが、アイデアの出し方だったり、また出たアイデアに対してだったりと、多角的に捉えて考えるというのがシックスハット法です。

・なぜなぜ分析

文字通り、一つの問題に対して「なぜそうなったのか」「なぜその問題ができたのか」といった問いを際限なく繰り返し、原因を徹底的に究明して解決策を深いところまで探るという方法です。
ビジネスは、人間の抱える「問題解決」が一つの大きな役目ですので、問題そのものに真っ向から「なぜ」を繰り返すことで、その解決のアイデアが生まれる可能性があります。

・欠点、希望点列挙法

なぜなぜ分析に似ていますが、既存のアイデアやサービスへの希望と欠点を際限なく挙げていくという方法です。
希望は「ここでこういうものがあればなお良いのに」とか「これにさらにこれがあれば良いのに」と言ったこと、欠点は「ここのこれを直して欲しい」「ここのこれが不要」「このやり方ではない方が良い」と言うような形です。
これは既存のサービスに対してでも、前項のような方法で浮かんできたアイデアに対してでもどちらでも構いません。
アイデアを出すためと言うよりは、出てきたアイデアをより良くする方法の一つと言えます。

・複合連結型発想法

複合連結型発想法は、簡単に言えばいくつかの単語を組み合わせて新しいアイデアにするという者です。
ソフトバンクの会長の孫正義さんはこの方法で、マイクが組み込まれた多言語翻訳機を開発しました。
起業ではしばしば「アイデアを組み合わせる」という事が言われますが、アイデアでなくとも、単語や物事一つずつを組み合わせるだけでも、思いがけない起業のヒントが得られることがあります。
ゼロから起業したいという時は、このやり方も試してみてください。

以上、起業のアイデアを出す考え方をいくつかご紹介しました。
もし以上のようなことを試しても、まだ一手がない、一押しがないとか、アイデアが出ないという時には、以下の事を試してみてください。

起業したいけどアイデアがないとき、実践すること

前項のは、あくまでも考え方、ヒントの得方についてです。
考えているのではなく、何か行動したいという時には、以下の事を実際にやってみてください。

・自分で気付かない、自分の強み、スキルを知る

自分の向き不向きを考えたり、今の自分の性格、そして持っている強みやスキルを細かく知っておくことがまず大切です。
これは「自分では気づかない」という点が重要で、例えば、ある方は自宅に知人を招いたところ、家の片付け方やキッチンの収納に優れていることに気づき、これをスキルとして売るようなことはどうか、と提案しました。
その結果、掃除のセミナーや教室と言った部分での起業がヒットして、成功したというケースがあります。
他人の方から見た自分の強み、スキルというのは意外にも、起業のヒントになり得ます。
そしてこれは次の、他の人に話を聞いてみるという事に通じて来ます。

・先輩起業家に話を聞いてみる、交流会に参加してみる

もし知り合いに、起業してしばらく経つ方とか、同じような経験から起業したという方が居れば、是非その方にお話を聞いてみてください。
既に起業されている方は独自のネットワークを持っていたり、情報のアンテナが起業前よりも格段に広いですので、とても有益なヒントが得られるはずです。
また、併せて交流会やセミナーへも参加してみると、人脈が広がって将来的に何らかの助けになってくれる人が現れるかもしれません。

・身の周りにある課題、問題をいち早くキャッチする

「起業したいけどアイデアがない」と言う人の多くに共通しているのが「どんな人の、どういう課題を解決するか」を考えていない、アンテナが鈍いという点です。
ビジネスとは、他の人の誰かが、自分のサービスや商品に対してお金を払い、問題を解決するということが基本です。
その「他の人の誰か」が自分のビジネスの「ターゲット」となります。
例えばネットメディアであれば、こういう情報が欲しいだろうとターゲット層を見据えて、その情報を詳しくまとめたサイトを作るなど、ビジネスとして物事を始める際には必ずお客さんの事を考えなければなりません。
それを考えないという事は、ただ自分が見たいだけの、自分がやりたいだけの需要がないものになりますので、一旦は始められても、それが長く続いてビジネスとなることはまずありません。
身近なところからでも、抱えている課題や問題に対して敏感になってみることが、需要のあるビジネスのヒントになります。

・トレンドを考える

いわゆる「流行に敏感になる」ということです。
例えば少し前には、インバウンドで民泊サービスやUberが盛んになったり、今では外出自粛の影響でUberEatsが非常に人気のある副業になったと思います。
また、オンラインでの教室、授業の起業も後を絶ちません。
このように今の社会情勢、トレンドを踏まえることも起業の際には必要になります。
ただしあくまでも流動的なものですので、長く続けていくと言う点では難しい場合もありますので、注意が必要です。

・既に成功している起業のアイデアを知る

今の現代社会では、様々なサービスや商品が展開されていますが、そのどれもが、些細な事の発明だったり、いくつかの小さなアイデアの組み合わせで成り立っています。
また、少し見方を変えれば、現在成功しているサービスは、必ずしもそれが一番優れているというわけではなく、代わりとなるサービスが現状存在しない、もしくは劣ったものしか無い、という場合もあります。
「既存のアイデアを知る」というのは一見無駄なように見えますが、始まりや原点から深く分析してみると、意外にも新たな発見が得られることがありますので、是非試してみてください。

考えがまとまらない時に、注意するべきこと

全く新しいアイデアは思い浮かばなくて当然

起業したいけどアイデアがない、という方が非常に陥りやすい、落とし穴とも言える問題が「自分のアイデアに似たサービスが既にあるから自分にはできない」という考えです。
現代社会において、全く新しい、誰もが思いついていないアイデアというのは、正直言って存在しません。
例えば今ではほとんどの方が利用しているであろう「通販」も、インターネットや電話を使う「通信」と「販売」とを組み合わせたもので、家に居ながらにして、お店で売っているものを買うというサービスになっています。
既存のサービスや商品をよりよくする、組み合わせて新しい価値を生む、という角度から考えることが重要です。

自分の頭の中だけで考えず、直接話を聞いてみる

上記に併せて、自分の頭の中だけで、自分のこれまでのスキルや経験を踏まえて考えてるだけだったり、インターネットや書籍からだけを見て、自分一人で起業をしようとするのは、視野が狭くなり良いアイデアは生まれません。
出来るだけ、直接、先輩の起業家に会いに行ってお話を聞いたり、セミナーや勉強会で情報を収集してみると、インターネットにまだ載っていないような新しい情報が得られたり、人脈が広がって、今よりもぐっと選択肢の幅が広がります。
場合によっては視野、視点がガラッと変わって、自分一人だけでは想像できなかった新しい角度からのアイデアが出ることもあり得ます。

最初からアイデアの完成形を求めすぎない

こちらは起業したいけどアイデアがない、と言うよりは、起業したいけどその自信がまだない、という方が陥りやすいことです。
なんとなくアイデアがあるけど、本当にそれでやって行けるか不安、という気持ちは分かりますが、実行する前に最終的な完成の形を求めすぎるあまり、一歩を踏み出せないのは勿体ないことです。
これはもちろん、事を急ぐとか見切り発車でスタートさせた方が良い、という事ではありません。
完成形を求め続け、納得のいく形まで持って行ったとしても、いざ事業を開始してみると、お客さんから思いがけないことがフィードバックが得られたり、想定外のトラブルに見舞われることも当然あります。
入念な準備は当然必要ですが、どうしてもやってみたい事があるのであれば、完成形を求めすぎずに、勇気をもってスタートさせてみてください。

まとめ

以上、アイデアを出す時の考え方、そして注意点をいくつかご紹介していきました。
最終的には、一番最後に書いたような「スタートさせること」が大切です。
入念で緻密なビジネスを公安しても、実際に行動して事業にしていかなければ、意味がありません。
無理をして急いで行動する必要はありませんが、思い切って始めてみることが起業です。
アイデアを出すのと同時に、実際に行動もしながら、その価値と内容の濃さを高めて、ブラッシュアップさせて行きましょう。



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